判例評釈 |
原審の判決,追加判決の一部が破棄 され,原審に差し戻された事例 |
〔最高裁昭和63年7月19日第三小法廷判決,昭和61年(オ)第30号, 第31号,模造品製造差止等請求事件,判例時報1291号,132頁〕 |
土肥一史 |
1. 不正競争防止法上の周知性の判断時点 |
2. 出願公開後の補正と補償金請求権行使のための警告 |
<事実の概要> |
弁論の全趣旨並びに当事者間に争いのないことからすれば,本件の事実関係は,大要以下のとおりである。原告X1は,昭和53年2月,本件自動車接地具を考案して,同年4月末頃から製品化し,原告X2会社を設立し,その代表取締役に就任するとともに,アースベルトなる商標を付して当該原告製品の販売を開始した。 |
<判 旨> |
一部上告棄却,一部破棄差戻し。
周知性を具備すべき時期について: 「自己の商品表示が不正競争防止法1条1項1号にいう周知の商品表示に当たると主張する甲が, これに類似の商品表示の使用等をする乙に対してその差止め等を請求するには,甲の商品表示は,不正競争行為と目される乙の行為が甲の請求との関係で問題となる時点,すなわち差止請求については現在(事実審の口頭弁論終決時),損害賠償の請求については乙が損害賠償請求の対象とされている類似の商品表示の使用等をした各時点において,周知性を備えていることを要し,かつ,これをもって足りるというべきである。けだし,同号の規定自体,原判決説示のように周知性具備の時期を限定しているわけではなく,周知の商品表示として保護するに足る事実状態が形成された以上,その時点から右周知の商品表示と類似の商品表示の使用等によって商品主体の混同を生じさせる行為を防止することが,周知の商品表示の主体に対する不正競争行為を禁止し,公正な競業秩序を維持するという同号の趣旨に合致するものであり,このように解しても,右周知の商品表示が周知性を備える前から善意にこれと類似の商品表示の使用等をしている者は,継続して当該商品表示の使用等をすることが許されるのであって(同法2条1項4号。いわゆる『旧来表示の善意使用』の抗弁),その保護に十分であり,更には,損害賠償の請求については行為者の故意又は過失を要件としているのであって(同法1条ノ2),不当な結果にはならないからである。」 出願公開後の補正と補償金請求権行使のための警告の要否: 「実用新案登録出願人が出願公開後に第三者に対して実用新案登録出願に係る考案の内容を記載した書面を提示して警告をするなどして,第三者が右出願公開が実用新案登録出願に係る考案の内容を知った後に,補正によって登録請求の範囲が補正された場合において,その補正が元の登録請求の範囲を拡張,変更するものであって,第三者の実施している物品が,補正前の登録請求の範囲の記載によれば考案の技術的範囲に属しなかったのに,補正後の登録請求の範囲の記載によれば考案の技術的範囲に属することとなったときは,出願人が第三者に対して実用新案法13条の3に基づく補償金支払請求をするためには,右補正後に改めて出願人が第三者に対して同条所定の警告をするなどして,第三者が補正後の登録請求の範囲を知ることを要するが,その補正が,願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において補正前の登録請求の範囲を減縮するものであって,第三者の実施している物品が補正の前後を通じて考案の技術的範囲に属するときは,右補正の後に再度の警告等により第三者が補正後の登録請求の範囲の内容を知ることを要しないと解するのが相当である。第三者に対して突然の補償金請求という不意打ちを与えないことを防止するために右警告ないし悪意を要件とした同条の立法趣旨に照らせば,前者の場合にのみ,改めて警告ないし悪意を要求すれば足りるのであって,後者の場合には改めて警告ないし悪意を要求しなくても,第三者に対して不意打ちを与えることにはならないからである。」 |
<評 釈> |
1 周知性がどの時点において必要であるかについての議論はこれまであまりみられない。従前の判決例からすれば,被告の商品表示・営業表示の使用開始時において周知性を判断するものがほとんどである。ごくまれに,その時期を判決中に明らかにすることなく周知性を判断するものもあるが,この種の訴訟の性質上,周知性を有するとして争う原告は,被告の表示の使用開始以降,自己表示の使用を中断しているとの事情はなく,使用開始時に周知性があれば口頭弁論終決時においてもあるということであり,この点を殊更争う必然性もなかったということなのであろう。もっとも,近時,周知性を否定した事例であるが,口頭弁論終決時においてはもちろん,まして被告の営業表示の使用開始時においては周知性を認めることは出来ないとして,使用開始時と口頭弁論終決時の双方にわたって,周知性の有無を判断したものがあり,注目される(東京地判昭和62年4月27日無体集19巻1号117頁)。
一方,学説においては,いずれも差止請求権に関してと思われるが,周知性の存在は,おそくとも,後発の営業主体が,周知商品表示と主張される表示と類似する表示を使用した時点において,必要とするものと(豊崎=松尾=渋谷「不正競争防止法」96頁<松尾執筆>),周知性の判断基準時はその判断時(口頭弁論終決時)とし,周知性獲得前に使用を開始した者の保護は,善意使用者の先便用権の問題で解決すべきである(佐藤治隆「周知性」裁判実務体系(9)479頁)とするものがあった。今回の最高裁判決は,従前の裁判例に対し周知性の判断時を明確にすると共に,学説のうち後者の立場に立つことを明らかにしたものである。 不正競争防止法上定められている差止請求権は,現に反復継続中の不正競争行為の停止を求める請求権と,将来の不正競争行為の禁止を求める予防請求権および不正競争行為によって組成された物の除去・廃棄を求める差止請求権からなる,というのが一般的な解釈である。不正競争行為の停止を求める訴えは,将来行われるであろう不正競争行為をなすおそれのある者に対する不作為を求める訴えであるから,将来の給付を求める訴えである,ということになる。したがって,不正競争行為を継続し,反復するおそれが口頭弁論終決の時に存在することを要する。不正競争行為が口頭弁論期日まで行われ,当該行為の除去・廃棄を求める必要があれば,本判決も正当に指摘するように,組成物等の除去を求めるため,除去・廃棄請求を求め,更に損害賠償請求を求めれば足りる。 将来の給付の訴えであるから,「予メソノ請求ヲナス必要アル場合」(民訴法226条)であること,即ち口頭弁論期日において不正競争行為を継続し,反復するおそれがあることが必要である。これが訴訟要件であるのか,実体上の要件であるのかはおくとして,ここでの不正競争行為とはなにかといえば,商品主体混同行為,即ち「本法施行ノ地域内ニ於テ広ク認識セラルル他人ノ商品表示卜同一若ハ類似ノモノヲ使用シ他人ノ商品卜混同ヲ生ゼシメル行為」に他ならない。したがって,ここでの要証事実は,規定の文言上からは,周知性と混同惹起行為である。パリ条約10条の2第3項1号の規定では,周知性は必要とされず,混同を惹起する行為のみが規制の対象とされていることから,わが不正競争防止法の解釈においても周知性を要証事実とみない見解もある(紋谷暢男「不正競争,商標をめぐる理論と実務」昭和55年度日本弁護士連合会特別研修叢書801頁は,周知性の要件は,混同を生じているかどうかの一認定資料として取り扱うべし,と主張する)。パリ条約との整合性からも,かかる指摘は傾聴すべきものと考えるが,現行の不正競争防止法の文言,さらにこれまでの判例理論を前提にするかぎり,周知性を要証事実の一ととらえざるを得ないであろう。この立場の下では,周知性のない商品表示は,不正競争防止法上保護を受けることができず,これと混同を惹起する行為があっても,不正競争行為ではないのであるから,いわば侵害行為が中止され,侵害行為でなくなったというに等しい。 その意味で,将来の給付の訴えとして,原告の商品表示は最終の口頭弁論期日において周知性を備えていなければならない。かつて原告の商品表示に周知性がありその結果不正競争行為となっても,その場合の救済は,損害賠償請求訴訟によって解決すべきことになる。そうすると,差止請求については現在(事実審の口頭弁論終決時),損害賠償の請求については損害賠償請求の対象とされている類似の商品表示の使用等をした時点,において周知性を必要とする本判決は,妥当な結論ということができよう。 2 補償金請求権の制度は,昭和45年特許法によって,審査処理期間の長期化に伴う弊害を除去すべく出願公開制度を導入する際に,出願人の意思と無関係に出願後18ヵ月経過とともに自動的に出願の内容が公開される不利益を受認することとの関係で,採用された制度である。審査前の段階で出願を公開するという制度は,発明の高度化,複雑化に伴い,出願が特許付与官庁における出願の滞貨という現象となって現れるようになった時期以降,主として西欧において採用されている。オランダの1964年特許法,1967年のノルディック共通特許法,1968年の西ドイツ特許法がこれである。わが国は,昭和43年11月11日,工業所有権審議会が改正に関する答申を公表したが,そこにおいて出願公開及び補償金請求権の制度が認められる。本答申においての内容が,ほぼ全面的に,現行法の内容となった(本答申の内容については,ジュリスト415号67頁参照)。 先の答申に際し,参考とされたのが,先のオランダ,西ドイツの制度であるといわれ,補償金請求権の性質については,適法行為に対する保証ないしは強制実施権に対する補償であるとの理解が大勢を占めていたようである(わが国では,損害賠償と補償金の填補とは分けて規定され(民法222条参照),適法行為による損害について償金の語が使用されている)。また,西ドイツ法と異なり,かような警告が補償金請求権の発生要件とされたのは,「補償金請求権が特許法65条の3の規定により創設されたものであるだけに,特許出願人と第三者との法律関係をできるかぎり簡明化して,無用な紛争が生ずることを防止するとともに,善良な第三者に対し出願公開の調査という過度な負担をかけたり突然の補償金請求という不意打ちを与えたりしないようにするためである」と説明されている(宮脇・後藤「特許法などの一部改正法の解説(1)」法曹時報23巻3号446頁)。 しかし,補償金請求権の性質についての学説上の評価は分かれており,あるいは一種の不法行為責任であるとする見解(田倉整「改正特許法における補償金請求権について」企業法研究183巻14頁,品川澄雄「改正法における出願公告の効果と出願公開の効果について」特許管理22巻1号15頁)と,不当利得返還請求権とみる見解(三宅正雄「出願公開をめぐる二,三の問題点」特許管理21巻8号715頁,田中美登里「仮保護の権利と補償金請求権」特許・商標・著作権393頁)とが一般に主張されている。前者は,特許を受ける権利の侵害とみ,権利の不安定さにより故意を要件とするが,民法720条の準用等からもこの性質を不法行為に準ずる請求権とみる。後者は適法行為ないし放任行為によって特許出願人に生じた利益の喪失を補償しようというものであるから不当利得返還請求権に近いものとみる。 前者の見解に対していえば,出願後公開前に自分で発明している場合でも,補償金請求権が成立するのであり,この行為に違法性があるとはいえないのではないか。また,特許を受ける権利の侵害と構成することにも無理があろう。従来の判例にも,特許を受ける権利の侵害を理由に差止請求(東京地判昭和30年7月5日下民集6巻7号1303頁)あるいは損害賠償請求(東京地判昭和43年7月24日判タ229号231頁)を求めたものがあるが,いずれも認められていない。 また,不当利得返還請求権とみることも困難であろう。不当利得返還請求権は元来主観的要件を必要しないが,利得と損失との間に因果関係を必要とする。出願公開された発明を実施している場合については,この因果関係があるといえるが,出願後公開前に自己の行った発明を実施する場合には,この因果関係は欠けるというほかないからである。 結局,出願の公開を強制される出願人と第三者との間の調整を目的として,法の創設した一種の実施権とみるほかないと考えている。あえて極言するならば,実演家の貸レコード業者に対する報酬請求権にも比することのできるものと考えるのである。そう考えられるならば,公告後あるいは特許権の成立後,この間に実施された物が業として使用された場合であっても,権利侵害(特65条の3,3項参照)とならないということは容易に是認されよう。 本判決のいう警告を必要とする理由であるが,出願人のルートからの発明の実施であることを知っている者に対しては,補償金請求権を行使しても不意打ちとならないように思われるし,知らないで出願後自己の開発した発明を実施している者に対しては適法行為であったのであり,警告がなければ補償金請求権を請求できないのであるから,不意打ちにならないと思われる。 元来,不意打ちとは,それがなくてもある請求ができるにもかかわらず,その請求をするときに唐突であり,当事者に酷であるという事情があるときにいえることであるのに対し,この警告は補償金請求権を発生させる要件であって,警告前に補償金請求権は存在しないものなのである(この点,ドイツ民事訴訟法93条との関係で,訴訟費用の負担の回避のために行なわれる警告≪Abmahnung≫は不意打ちの防止に基づく,といえよう)。ちなみに,ドイツ法の下では,補償金請求権の発生に,相手方の悪意を必要とするが,警告自体は必要ではない。 そこで,本判決との関係で考えると,本条でいう書面に記載すべき考案,出願に係る考案さらには悪意の対象としての考案とは,文言上,実用新案登録請求の範囲に書かれた考案ということになろう。この実用新案登録請求の範囲は出願公開された直前の明細書のクレームを原則とする。公開前に補正がなされても同じである。 問題は,公開後補正がなされたときであるが,補正の効力は出願の時にさかのぼるので,補正後のクレームによって公開が行われたことになるから,補償金請求権発生要件の一を欠くことになりはしないか。すなわち,出願公開後,実用新案登録出願に係る考案の内容を記載した書面を提示しての警告,あるいは出願公開された実用新案登録出願に係る考案の内容であることの認識がいずれも認められないからである。 本判決では,この点について,「第三者が右出願公開がされた実用新案登録出願にかかる考案の内容を知った後に,補正によって登録請求の範囲が補正された場合において,その補正が元の登録請求の範囲の記載を拡張,変更するものであって,第三者の実施している物品が,補正前の登録請求の範囲の記載によれば考案の技術的範囲に属しなかったのに,補正後の登録請求の記載によれば考案の技術的範囲に属することとなったとき」は,あらためて警告をやり直す必要があるが,「その補正が,願書に最初に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内において補正前の登録請求の範囲を減縮するものであって,第三者の実施している物品が補正の前後を通じて考案の技術的範囲に属するときは」,再度の警告を要しない,と判示している。この判示部分は,本制度の立案者のコメント(宮脇・後藤「特許法などの一部改正法の解説(1)」法曹時報23巻3号447−8頁・佐々木恭之助「補償金請求権の法的性質」企業法研究183巻9頁)や従来の学説(吉藤幸朔「特許法概説(第7版)」282頁,中山信弘「注解特許法上」488頁<松本執筆>等)でも同様の指摘がなされており,最高裁は本判決によりこれに従うことを明らかにした。 本判決の構成は,出願公告決定謄本送達前の補正可能範囲の可否を決する要旨変更の有無の基準,あるいは出願公告決定送達後の補正可能範囲の一である考案の技術的範囲の減縮の基準を想起させるものがある。すなわち,補正により考案の技術的範囲が拡大したときは警告を要するが, 反対に補正により,考案の技術的範囲が減縮したときは改めて警告を要しないというものだからである。しかし,前段の部分は論理的には整合性を欠く。むしろ,反対に,補正により考案の技術的範囲が拡大したときは,当然に従前含まれていた相手方の侵害物品は補正後も含まれるのであるから,改めて警告を要しないが,補正により考案の技術的範囲の減縮があったときは,考案の技術的範囲に変動が生じるので,警告を要することになる(研究会の席上における石川義雄弁理士の発言)と思われるからである。後段の部分においても,判決では,補正により考案の技術的範囲が減縮され,「第三者の実施している物品が補正の前後を通じて考案の技術的範囲に属するとき」は警告を要しない,としているが,出願公告の決定もなく, 自己の意思と無関係に出願を公開される出願人に,この時点で相手方の侵害物品が考案の技術的範囲に含まれるか否かの判断を求めることは酷ではないのか。 さらに,本条の文言からすれば,公開された出願にかかる考案の内容を警告し,あるいは知っていた必要があろうと思われるが,補正の結果その内容に従って考案の技術的範囲も公開されたことになるとしても,現実には公開されていないのでそれを確認し得ないとともに,減縮したことが通知されないとすれば,従前の内容であれば実施を中止するけれども,減縮した内容であれば実施を継続するという措置をとることもありえようから,いずれにせよ,補正が考案の技術的範囲の拡大であろうと,減縮であろうとを問わず,考案の技術的範囲の変更を知らしめる必要があるのではないか。補償金請求権が,先に述べたように,公開を強制される出願人と第三者との間の調整を目的とする制度であるとすれば,このように考えることは理由のあるものと考える。 つぎに,悪意即ち「出願公告がされた実用新案登録出願のかかる考案であることを知って」の意義についてであるが,本判決では,本件訴訟の経緯からすれば第一審の口頭弁論期日に知っていたとの疑いが濃厚である,とされている。問題は,Yが悪意であったことの立証が差戻審で可能かということであるが,従来より最高裁は,「重大な過失は悪意と同様に取り扱うべきものである」(名板貸の責任につき,最判昭和41年1月27日民集20巻1号111頁。表見代表取締役の責任につき,最判昭和52年10月14日民集31巻6号825頁)として,過失では足りず悪意を必要とする場合についても重大な過失を悪意と同視するという考え方を採っているので,本件においても同様な構成を採ることになるのではなかろうか。ちなみに,ドイツ法においては,「知るべきであったとき」も補償金請求権は発生すると定めている。 3 最後に,紙数に制約もあり,判決の紹介中にあげることはできなかったが,研究会での席上議論となったことに言及しておく。本判決では,原告X1は「自ら原告商標を使用して原告製品を販売する等の営業をしている者でないことが明らかであり,Yらの被告製品の製造・販売及び被告商標の使用等により営業上の利益,信用を害されることはない」として,X1の請求を斥けている。営業上の利益を害されるおそれのある者とは,商品主体即ち自ら表示を使用する者に限られない,と解されているが,商品主体即ち商品の製造・販売に従事するものであればここでいう者に該当すると思われる。 原告X1と原告X2会社との関係はいまひとつ明確ではないけれども,原審の判断からは,原告X1は原告X2に対し製造を依頼し,販売は自ら行った,と窺える部分もある。そうであれば,それぞれが商品主体といえ,原告X1も営業上の利益を害されるおそれのある者になりはしないだろうか。かつてのチヤコピー事件(大阪地判昭和49年9月10日無体集6巻2号217頁)では,販売業者X1のほかX1に専属するインキ製造業者X2,製品製作業者X3についても原告適格を認めたこともある。本判決では,X1は「自ら原告商標を使用して原告製品を販売する等の営業をしている者でないことが明らかである」として,上告を棄却したが,本件訴訟の経緯からして,原告X1と原告X2会社との関係を含め原審へ差し戻すことが妥当ではなかったろうか。 なお,本判決の論旨及び結論に同調する判例評釈として,盛岡一夫・法律のひろば41巻11号60頁がある。 |